住宅ローンの事前審査に通ると、「これで家を購入できそう」と一安心する方も多いでしょう。
しかし、本当に重要なのはその後に行われる本審査です。
本審査では、年収や勤務先だけでなく、健康状態や購入する住宅の価値、提出書類の内容なども細かく確認されます。そのため、事前審査に通過していても、本審査で否決されるケースは決して珍しくありません。
とはいえ、必要以上に不安になる必要はありません。本審査ではどのような点が見られるのかを事前に理解し、正しく準備しておけば、スムーズに手続きを進められる可能性が高くなります。
この記事では、
- 本審査とは何か
- 事前審査との違い
- 本審査の流れ
- 審査期間
- 必要書類
- 落ちる主な理由
- 通過するためのポイント
まで、住宅購入が初めての方にもわかりやすく解説します。
この記事を読み終える頃には、本審査への不安が解消され、自信を持って住宅ローンの手続きを進められるようになるでしょう。
住宅ローン本審査とは?
住宅ローンの本審査とは、金融機関が「実際に住宅ローンを融資しても問題ないか」を最終的に判断する審査です。
住宅ローンを借りる際は、一般的に次の2段階の審査があります。
- 事前審査(仮審査)
- 本審査
事前審査では、申込内容をもとに「融資できそうか」を簡易的に確認します。
一方、本審査では、提出された書類や信用情報、健康状態、購入する住宅の価値などを詳しく調査し、正式な融資の可否を決定します。
つまり、
事前審査=仮の判断
本審査=最終判断
というイメージです。
家づくりや住宅購入を進めるうえで、本審査は非常に重要なステップになります。
- 住宅ローン審査の全体の流れ
- 事前審査と本審査の違い
- ① 年収と返済負担率
- ② 勤務先・勤続年数
- ③ 信用情報
- ④ 他社からの借入状況
- ⑤ 健康状態(団体信用生命保険)
- ⑥ 購入する住宅の価値
- ⑦ 提出書類の内容
- ⑧ 申込内容との整合性
- 本審査のスケジュール
- ① 申告内容と事実が違っていた
- ② 転職・退職をした
- ③ 新たな借入をした
- ④ クレジットカードの支払いを延滞した
- ⑤ 健康状態が団信の基準を満たさなかった
- ⑥ 担保評価が低かった
- ⑦ 必要書類に不備があった
- ⑧ 他社借入が増えた
- ⑨ 虚偽の申告をした
- ⑩ 金融機関の基準に合わなかった
- Q. 本審査は100%通りますか?
- Q. 本審査の結果は電話で連絡されますか?
- Q. 本審査中に車を買ってもいいですか?
- Q. 本審査中にクレジットカードを作れますか?
- Q. 本審査に落ちたら再申し込みできますか?
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住宅ローン審査の全体の流れ

ポイント
事前審査に通過しても、まだ住宅ローンが確定したわけではありません。
本審査で正式承認を受けて初めて、住宅ローン契約へ進めます。
本審査では何を確認される?
本審査では、「本当に最後まで住宅ローンを返済できる人か」を総合的に判断します。
金融機関によって多少異なりますが、主に次のような内容が確認されます。
| 確認される内容 | チェックされるポイント |
|---|---|
| 返済能力 | 年収・勤務先・勤続年数・返済負担率 |
| 信用情報 | ローンやクレジットカードの利用状況・延滞履歴 |
| 健康状態 | 団体信用生命保険(団信)に加入できるか |
| 購入する住宅 | 担保として十分な価値があるか |
| 提出書類 | 内容に誤りや虚偽がないか |
これらを総合的に審査し、「長期間にわたって無理なく返済できるか」が判断されます。
事前審査との違い
「事前審査に通ったから、本審査も必ず通る」と思われがちですが、実際はそうではありません。
事前審査と本審査では、審査の目的や確認する内容が大きく異なります。
| 項目 | 事前審査(仮審査) | 本審査 |
|---|---|---|
| 目的 | 借入可能かを簡易的に判断 | 正式に融資するかを決定 |
| 審査内容 | 申告内容を中心に確認 | 提出書類や信用情報などを詳しく確認 |
| 必要書類 | 少ない | 多い |
| 審査期間 | 1〜3営業日程度 | 1〜2週間程度 |
| 結果 | 仮承認 | 正式承認 |
事前審査は、住宅購入をスムーズに進めるための「事前チェック」です。
一方、本審査は金融機関が正式に融資するかどうかを決める重要な審査であり、より厳しく確認されます。
事前審査と本審査の違い

本審査の流れ
本審査は、事前審査に通過したあとに進められます。
住宅会社や不動産会社と契約を結んだ後、金融機関へ本審査を申し込みます。
一般的な流れは次のとおりです。
① 必要書類を提出する
金融機関から案内された書類を提出します。
源泉徴収票や住民票だけでなく、売買契約書や工事請負契約書なども必要になるため、早めに準備しておくと安心です。
② 金融機関が審査を行う
提出書類をもとに、金融機関や保証会社が審査を行います。
申込内容と実際の内容に違いがないか、信用情報や団信への加入条件なども含めて総合的に判断されます。
③ 審査結果の連絡
審査が完了すると、金融機関から承認または否決の連絡があります。
承認された場合は、住宅ローン契約(金銭消費貸借契約)へ進みます。
④ 住宅ローン契約を結ぶ
契約内容を確認し、住宅ローン契約を締結します。
この時点で金利タイプや返済方法なども正式に決定します。
⑤ 融資実行・住宅引き渡し
決済日に住宅ローンが実行され、住宅会社や売主へ代金が支払われます。
その後、住宅の引き渡しを受け、新生活がスタートします。
本審査で見られるポイント
本審査では、「年収が高いから通る」「正社員だから安心」といった単純な判断はされません。
金融機関は、「この人に数千万円のお金を貸しても、35年ほどかけて安定して返済してもらえるか」という視点で、さまざまな項目を総合的に確認しています。
ここでは、本審査で特に重視されるポイントを紹介します。
① 年収と返済負担率
最も基本となるのが、年収と返済負担率です。
返済負担率とは、年収に対して年間返済額がどれくらいの割合を占めるかを示すものです。
例えば、
- 年収500万円
- 年間の住宅ローン返済120万円
であれば、
返済負担率は24%になります。
金融機関ごとに基準は異なりますが、一般的には25~35%以内が一つの目安です。
ただし、基準内だから必ず通るわけではありません。
教育ローンや自動車ローンなど、ほかの借入も含めて判断されます。
② 勤務先・勤続年数
勤務先や勤続年数も重要な審査項目です。
例えば、
- 正社員
- 公務員
- 上場企業勤務
だからといって必ず有利になるわけではありません。
一方で、
- 転職したばかり
- 勤続半年未満
- 個人事業主として開業したばかり
などの場合は、収入が安定しているか慎重に判断される傾向があります。
もちろん、勤続年数が短くても審査に通るケースはありますが、金融機関によって基準が異なるため注意が必要です。
③ 信用情報
住宅ローン審査で非常に重要なのが信用情報です。
信用情報とは、
これまでのローンやクレジットカードの利用状況を記録した情報のことです。
例えば、
- クレジットカードの支払い遅れ
- 自動車ローンの延滞
- スマートフォン本体の分割払いの滞納
- カードローンの利用状況
なども確認されます。
「スマホ代だから大丈夫」と思われがちですが、本体代金を分割払いにしている場合はローンと同じ扱いになるため、支払いの遅れには注意しましょう。
④ 他社からの借入状況
住宅ローン以外の借入も審査対象です。
例えば、
- カーローン
- 教育ローン
- カードローン
- キャッシング
- フリーローン
などがあります。
借入があるからといって必ず審査に落ちるわけではありません。
ただし、借入額が多いほど返済負担率が高くなるため、審査には影響します。
⑤ 健康状態(団体信用生命保険)
多くの住宅ローンでは、**団体信用生命保険(団信)**への加入が条件となっています。
団信とは、住宅ローン契約者が死亡した場合や高度障害状態になった場合などに、保険金で住宅ローン残高が返済される保険です。
そのため、本審査では健康状態についても告知が必要になります。
高血圧や糖尿病などの持病がある場合でも、症状や治療状況によっては加入できるケースがあります。
また、通常の団信に加入できない場合でも、「ワイド団信」を利用できる金融機関もあります。
健康上の理由だけで住宅購入を諦める必要はないため、不安な場合は事前に金融機関へ相談してみましょう。
⑥ 購入する住宅の価値
本審査では、購入する住宅についても確認されます。
住宅ローンでは、購入する住宅が金融機関にとって「担保」となるためです。
例えば、
- 建築基準法に適合しているか
- 違法建築ではないか
- 土地や建物の価値は適正か
などが確認されます。
新築住宅では大きな問題になるケースは少ないものの、中古住宅では築年数や建物の状態によって評価が低くなることがあります。
⑦ 提出書類の内容
提出した書類の内容も細かく確認されます。
例えば、
- 年収が申告内容と違う
- 勤務先が異なる
- 書類に記載漏れがある
といった場合には、追加書類の提出を求められたり、審査に時間がかかったりすることがあります。
故意ではなくても、記入ミスによって手続きが遅れることは珍しくありません。
提出前に一度見直しておくことが大切です。
⑧ 申込内容との整合性
事前審査と本審査で内容が変わっていないかも確認されます。
例えば、
- 年収が変わった
- 転職した
- 新たな借入をした
- 家族構成が変わった
などの変更があった場合は、必ず金融機関へ伝えましょう。
黙ったまま手続きを進めると、信用を損なう可能性があります。
本審査でチェックされるポイント

本審査で必要になる書類

本審査では、事前審査よりも多くの書類を提出します。
金融機関によって多少異なりますが、一般的には次のような書類が必要です。
| 書類 | 内容 |
|---|---|
| 本人確認書類 | 運転免許証・マイナンバーカードなど |
| 住民票 | 世帯全員分を求められることがあります |
| 印鑑証明書 | 実印の証明 |
| 源泉徴収票 | 会社員の場合 |
| 確定申告書 | 個人事業主など |
| 課税証明書・所得証明書 | 収入確認のため |
| 売買契約書 | 土地・建物の契約内容 |
| 工事請負契約書 | 注文住宅の場合 |
| 重要事項説明書 | 不動産会社から交付される書類 |
| 物件資料・図面 | 住宅の確認資料 |
必要書類が不足すると、審査が長引く原因になります。
住宅会社や金融機関から案内された書類は、早めに準備しておきましょう。
本審査にかかる期間はどれくらい?
本審査にかかる期間は、一般的に1~2週間程度です。
ただし、金融機関や申し込みの時期によっては、3週間以上かかるケースもあります。
特に次のような場合は、通常より時間がかかることがあります。
- 必要書類に不足や不備がある
- 年末年始や大型連休を挟む
- 金融機関への申込件数が多い時期
- 追加書類の提出が必要になった
- 団体信用生命保険(団信)の審査に時間がかかる
住宅の引き渡し日が決まっている場合は、余裕を持って手続きを進めることが大切です。
本審査のスケジュール

本審査で落ちる主な理由10選
事前審査に通過していても、本審査で否決されることはあります。
ここでは、代表的な理由を見ていきましょう。
① 申告内容と事実が違っていた
本審査では、提出書類をもとに申込内容が細かく確認されます。
例えば、
- 年収を多く申告していた
- 借入額を申告していなかった
- 勤務先の情報が違っていた
などが判明すると、金融機関からの信用を失い、審査に影響する可能性があります。
記入ミスでも追加確認が必要になることがあるため、提出前に内容をよく確認しましょう。
② 転職・退職をした
事前審査後に転職すると、勤務先や勤続年数が変わるため、改めて返済能力を確認されます。
特に転職直後は収入の安定性を判断しにくくなるため、審査が厳しくなることがあります。
転職を予定している場合は、可能であれば融資実行後まで待つのがおすすめです。
③ 新たな借入をした
本審査中に次のような借入をすると、返済負担率が変わる可能性があります。
- カーローン
- 教育ローン
- カードローン
- キャッシング
- 家電や家具の分割払い
「少額だから大丈夫」と自己判断せず、ローンを組む前に住宅会社や金融機関へ相談しましょう。
④ クレジットカードの支払いを延滞した
本審査中でも、信用情報は更新されます。
そのため、
- クレジットカード
- スマートフォン本体の分割払い
- 各種ローン
などの支払いを延滞すると、審査へ影響する場合があります。
引き落とし口座の残高不足にも注意しましょう。
⑤ 健康状態が団信の基準を満たさなかった
住宅ローンでは団体信用生命保険への加入が条件となることが多いため、健康状態によっては通常の団信に加入できないケースがあります。
ただし、金融機関によってはワイド団信を利用できる場合もあるため、すぐに住宅購入を諦める必要はありません。
⑥ 担保評価が低かった
住宅ローンでは、購入する住宅が担保になります。
例えば、
- 建物の評価が極端に低い
- 再建築不可物件
- 違法建築
などの場合は、希望額を借りられないことがあります。
⑦ 必要書類に不備があった
書類の不足や記載漏れは、審査の遅れにつながるだけでなく、追加確認が必要になることもあります。
提出前に住宅会社の担当者と一緒に確認すると安心です。
⑧ 他社借入が増えた
住宅ローン申込後にカードローンなどを利用すると、返済能力の評価が変わることがあります。
「住宅ローンが終わるまで新たな借入は控える」という意識を持ちましょう。
⑨ 虚偽の申告をした
故意に情報を隠したり、事実と異なる内容を申告したりすると、審査に通らない可能性が高くなります。
金融機関との信頼関係にも関わるため、正確な情報を申告することが大切です。
⑩ 金融機関の基準に合わなかった
審査基準は金融機関ごとに異なります。
そのため、A銀行では否決でも、B銀行では承認されるケースもあります。
一つの結果だけで諦める必要はありません。
本審査を通過するためのポイント
本審査をスムーズに進めるためには、次のポイントを意識しましょう。
- 申込内容は正確に記入する
- 必要書類は早めに準備する
- 新たな借入を控える
- クレジットカードなどの支払いを遅らせない
- 転職や退職はできるだけ融資実行後にする
- 金融機関から追加書類を求められたら早めに提出する
一つひとつは難しいことではありませんが、こうした積み重ねが審査結果に影響することがあります。
本審査中にやってはいけないこと
本審査中は、次のような行動は避けましょう。
- 車をローンで購入する
- 家具・家電を分割払いで購入する
- クレジットカードの支払いを延滞する
- 転職・退職する
- カードローンやキャッシングを利用する
- 無断で申込内容を変更する
「住宅ローンの本審査が終わるまでは、家計や仕事の状況をできるだけ変えない」という意識が大切です。

本審査に落ちたらどうする?
万が一、本審査に通らなかった場合でも、住宅購入を諦める必要はありません。
まずは、金融機関や住宅会社の担当者に原因を確認しましょう。
そのうえで、
- 借入額を見直す
- 頭金を増やす
- 他の金融機関へ申し込む
- ペアローンや収入合算を検討する
など、状況に応じた方法を検討できます。
よくある質問
Q. 本審査は100%通りますか?
いいえ。事前審査に通っていても、本審査で否決されるケースはあります。
Q. 本審査の結果は電話で連絡されますか?
金融機関によって異なりますが、電話やメール、住宅会社を通じて連絡されることが一般的です。
Q. 本審査中に車を買ってもいいですか?
ローンを利用して購入することはおすすめできません。返済負担率が変わり、審査へ影響する可能性があります。
Q. 本審査中にクレジットカードを作れますか?
新たな借入枠が増えるため、審査が終わるまでは控えたほうが安心です。
Q. 本審査に落ちたら再申し込みできますか?
可能です。ただし、原因を改善したうえで申し込むことが大切です。
まとめ
住宅ローンの本審査は、金融機関が正式に融資するかどうかを決める最終審査です。
年収や勤務先だけでなく、信用情報や健康状態、購入する住宅の価値なども総合的に確認されます。
事前審査に通っていても、本審査で否決される可能性はありますが、必要以上に心配する必要はありません。
申込内容を正確に記入し、必要書類を早めに準備すること、そして審査中は新たな借入や支払いの延滞を避けることが、スムーズな承認につながります。
住宅ローンは、多くの方にとって人生で最も大きな借入です。本審査の流れや注意点を理解し、余裕を持って準備を進めることで、安心してマイホーム購入へ向けた一歩を踏み出せるでしょう。
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