家を買ったあと、忘れたころにやってくる税金があります。
それが「不動産取得税」です。
「4,000万円の家を買ったら、4,000万円に税率がかかるの?」
「新築なら不動産取得税はかからないって聞いたけど本当?」
と不安になる人もいるでしょう。
結論からいうと、不動産取得税は土地や建物を取得したときにかかる税金ですが、新築住宅には大きな軽減措置があります。
条件を満たせば、建物の評価額から1,200万円を差し引いて税額を計算できるため、結果として建物部分の不動産取得税が0円になるケースもあります。
この記事では、
・不動産取得税とは何か
・いくらかかるのか
・新築住宅の軽減措置
・土地にも使える軽減措置
・長期優良住宅ならどうなるのか
・いつ、どうやって支払うのか
まで、住宅購入初心者にもわかるように解説します。
不動産取得税とは?
不動産取得税とは、土地や建物などの不動産を取得したときに、一度だけかかる税金です。
住宅を所有している間、毎年支払う固定資産税とはここが大きく違います。
新築住宅を建てた場合だけでなく、
・土地を購入した
・新築住宅を購入した
・中古住宅を購入した
・不動産を贈与された
といった場合にも対象になることがあります。
一方、相続によって不動産を取得した場合など、不動産取得税がかからないケースもあります。

不動産取得税はいくらかかる?
住宅を取得した場合、不動産取得税は基本的に次のように計算します。
不動産の価格(課税標準額)×3%
ここで注意したいのが、税額計算に使われる「不動産の価格」です。
たとえば4,000万円で家を買ったからといって、
4,000万円 × 3% = 120万円
と計算するわけではありません。
不動産取得税の計算に使われるのは、基本的に**固定資産課税台帳に登録されている価格(固定資産評価額)**です。
新築などでまだ固定資産課税台帳に価格が登録されていない場合は、固定資産評価基準に基づいて価格が決められます。
つまり、
購入価格 ≠ 不動産取得税を計算する価格
ということです。
ここは初めて家を買う人が勘違いしやすいポイントなので覚えておきましょう。
新築住宅なら1,200万円の控除がある
新築住宅には、不動産取得税の大きな軽減措置があります。
2026年4月1日以降に取得する新築住宅の場合、一定の要件を満たすと建物の価格から1,200万円を控除して不動産取得税を計算できます。
基本的な計算イメージは、
(建物の価格-1,200万円)×3%
です。
対象となる新築住宅は、原則として床面積が40㎡以上240㎡以下であることなどが条件になります。

新築の不動産取得税をシミュレーション
具体的な数字で見た方がわかりやすいので、例を使って計算してみましょう。
たとえば、新築した建物の価格(評価額)が1,500万円だったとします。
軽減措置を使わなければ、
1,500万円 × 3% = 45万円
です。
しかし、1,200万円控除の対象になれば、
1,500万円 − 1,200万円 = 300万円
となります。
この300万円に3%をかけるため、
300万円 × 3% = 9万円
建物部分の不動産取得税は9万円になります。
軽減前の45万円と比べると、かなり大きな差です。
さらに建物の価格が1,200万円以下で、ほかの条件も満たしていれば、
1,200万円 − 1,200万円 = 0円
となるため、建物部分の不動産取得税が結果的に0円になるケースもあります。

長期優良住宅なら1,300万円控除
認定長期優良住宅の場合は、さらに優遇されています。
一定の要件を満たす認定長期優良住宅なら、一般的な新築住宅の1,200万円ではなく、1,300万円を建物の価格から控除できます。
たとえば建物の価格が1,500万円なら、
1,500万円 − 1,300万円 = 200万円
200万円 × 3% = 6万円
となります。
先ほどの一般住宅なら9万円だったので、この例では長期優良住宅なら6万円になります。
ただし、長期優良住宅なら自動的に適用されるわけではなく、認定を受けていることなどの条件があります。
土地にも不動産取得税の軽減措置がある
不動産取得税は建物だけでなく、購入した土地にもかかります。
ただし、住宅用の土地にも軽減措置があります。
2027年3月31日までに宅地などを取得した場合、土地の不動産取得税を計算するときの価格は、原則として固定資産評価額の2分の1になります。
基本的な計算イメージは、
土地の固定資産評価額 × 1/2 × 3%
です。
さらに、その土地に一定の条件を満たす住宅を新築した場合などには、ここから税額を減額できる制度があります。
代表的には、
45,000円
または、
土地1㎡あたりの価格 × 住宅の床面積×2(上限200㎡)×3%
で計算した金額のうち、高い方が税額から減額されます。
土地については取得した時期や住宅を建てるタイミングなどによって適用条件が変わるため、実際の税額は都道府県の窓口で確認するのが確実です。

不動産取得税はいつ払う?
不動産取得税は、住宅を取得したその日に支払うわけではありません。
不動産を取得したあと、都道府県による確認や価格の決定などが行われ、その後に納税通知書が送られてきます。
納税通知書が届いたら、記載されている納期限までに支払います。
そのため、
「家の引き渡しが終わったのに、不動産取得税の請求が来ない」
と不安になる必要はありません。
取得から納税通知書が届くまでの期間は自治体や取得した不動産によって異なります。
また、軽減措置を受けるために申告や書類の提出が必要になる場合があります。
「そのうち自動で安くなるだろう」と思い込まず、住宅を取得したら所在地を管轄する都道府県税事務所などで必要な手続きを確認しておきましょう。
不動産取得税がかからないこともある?
あります。
特に新築住宅では、先ほど説明した1,200万円控除によって、結果として建物部分の不動産取得税が0円になることがあります。
たとえば対象となる新築住宅で、
建物の価格:1,100万円
だった場合、
1,100万円 − 1,200万円
となるため、控除後に課税対象となる価格が残りません。
ただし、
「新築だから不動産取得税は絶対に0円」
というわけではありません。
建物の価格が1,200万円を超えていれば、その超えた部分について税金が発生する可能性があります。
さらに土地についても別に計算されます。
「新築なら不動産取得税はかからない」と覚えるのではなく、
新築住宅には大きな軽減措置があり、結果として0円になるケースもある
と理解しておくのが正確です。
不動産取得税と固定資産税は別物
住宅購入初心者が特に混同しやすいのが、不動産取得税と固定資産税です。
名前は似ていますが、まったく同じ税金ではありません。
| 不動産取得税 | 固定資産税 | |
|---|---|---|
| いつ | 不動産を取得したとき | 所有している間 |
| 回数 | 原則1回 | 毎年 |
| 課税する自治体 | 都道府県 | 市町村 |
| 軽減措置 | あり | あり |
不動産取得税を支払ったからといって、翌年以降の固定資産税がなくなるわけではありません。
家を購入した後に毎年かかる固定資産税については、こちらの記事で詳しく解説しています。
家を買うと不動産取得税以外にも税金がかかる
住宅購入時に必要な税金は、不動産取得税だけではありません。
たとえば、
・印紙税
・登録免許税
・不動産取得税
などがあります。
さらに購入後には固定資産税なども発生します。
住宅価格だけを見て資金計画を立ててしまうと、
「こんなお金も必要だったの?」
となりやすい部分です。
住宅購入でかかる税金全体については、こちらの記事でまとめています。
また、新築住宅では税金以外にも登記費用、住宅ローン関連費用、火災保険などの諸費用が必要です。
不動産取得税の軽減は忘れずに確認しよう
不動産取得税には、新築住宅や住宅用土地などに対する大きな軽減措置があります。
ただし、条件を満たしていても必要な申告や書類提出を確認せず放置するのはおすすめできません。
住宅を取得したら、
「自分の家と土地は軽減措置の対象になるのか」
を、物件所在地を管轄する都道府県税事務所などで確認しておきましょう。
特に土地を先に購入して、そのあと注文住宅を建てる場合は、土地取得時点では住宅が完成していないため、徴収猶予や住宅完成後の減額・還付といった手続きが関係する場合があります。
まとめ|不動産取得税は軽減措置で大きく変わる
不動産取得税は、土地や建物などの不動産を取得したときに原則として一度だけかかる税金です。
住宅の場合、基本的な税率は3%ですが、購入価格にそのまま3%をかけるわけではありません。
新築住宅では、一定の条件を満たすと建物の価格から1,200万円を控除できます。
認定長期優良住宅なら、控除額は1,300万円です。
また、住宅用の土地にも軽減措置があります。
そのため、新築住宅では軽減によって不動産取得税が大幅に安くなったり、建物部分が結果的に0円になったりするケースもあります。
ただし、軽減措置には条件があり、申告や書類提出が必要になる場合もあります。
「新築だから勝手に安くなる」と考えず、住宅を取得したら自分が対象になる軽減措置を確認しておきましょう。
※この記事は2026年8月時点の制度をもとに作成しています。税制や軽減措置は改正される場合があるため、実際に住宅を取得する際は、物件所在地を管轄する都道府県税事務所などで最新情報を確認してください。

コメント